2012年度(平成24年度)CACフォーラム開催実績

 

2012年度第1回CACフォーラムセミナー

日時 : 2012年7月6日(金) 09:50~16:30
場所 : 大阪産業創造館(大阪市中央区本町1-4-5) http://www.sansokan.jp/map/
内容 :

《プログラム》

1.会長挨拶  (09:50~10:00)
  CACフォーラム会長 東京大学大学院工学系研究科  教授 船津 公人 氏

2.Chemishによるケモメトリックス解析テクニック講習会 (10:00~11:50)
 東京大学   助教 金子 弘昌 氏
 Chemishは、東京大学船津研究室で開発されているケモメトリックスソフトウエアであり、化学データの編集、解析、可視化のための豊富な機能を備えている。今回は、ケモメトリックス手法である主成分分析、重回帰分析、PLS、ニューラルネットワークなどの説明と、それらの手法を用いて実際にChemishでデータ解析を行うための講習会を行う。

 ※講習会用のパソコンは用意しております。

---------------------昼食(11:50~13:10)各自で昼食をお取り下さい----------------------

3.講演(Ⅰ) (13:10~14:10)
 関西学院大学   教授  岡田 孝 氏
 「基本活性構造を用いたベイジアンネットとシグナル検出」
 各種生理活性を対象にそれぞれの活性発現に特徴的な基本活性構造(Basic Active Structures)を発掘し公開している。一般化学物質の反復投与毒性では、これらの構造を利用してベイジアンネットを構築し、in silicoの予測を可能とした。また、PMDAの医薬品副作用の自発報告データベースについては基本活性構造の層別を導入して、早期のシグナル検出を可能とした。これらの結果について報告する。

---------------------休憩(14:10~14:20)----------------------

4.講演(Ⅱ) (14:20~15:20)
 大阪大学   助教  岡本 晃典 氏
 「化学物質の環境リスクに関するin silico評価法の改良」
 化学物質の環境リスク評価において、対象となる物質数の膨大さからin silico評価の重要性は高い。主なin silico評価法として、環境中化学物質のハザードについては定量的構造活性相関を利用した生態影響評価が、曝露については化学物質の物性情報等を基にした環境媒体(水、土壌、大気など)間の動態予測モデルによる各環境内の存在量評価が挙げられる。当研究室では環境動態予測モデルの入力パラメータである物性情報への予測モデルの導入と、確率的な存在量評価の検討を進めてきた。その検討状況を中心に、in silico評価法の改良について報告する。

---------------------休憩(15:20~15:30)----------------------

5.講演(Ⅲ) (15:30~16:30)
 奈良先端科学技術大学院大学   教授  金谷 重彦 氏
 「KNApSAcK Family DB:オミックス研究における医食同源の体系化」
 細胞・組織を丸ごと質量分析により測定することにより得られる大量スペクトル情報から代謝物の候補を得ることを目的に、2004年よりKNApSAcK Coreデータベースの研究開発が進められ、5万種の代謝物について10万対の生物種-代謝物の関係を整理し公開した。本データベースはシロイヌナズナ国際コンソーシアム(The Arabidopsis Information Resource)などの世界のメタボローム研究の標準データベースとなっている。さらに、植物の機能性を体系化する目的で、KNApSAcKファミリー・データベース・システムの研究開発を進めた。現在までに、世界の地域ごとに使用されている薬用/食用植物、薬用植物の生物活性、二次代謝物の活性、漢方、ジャムーにおける生薬配合情報、食用植物情報、さらにはハーブの情報を医科学文献に基づいて構築した。これらのデータベースをもとに地球上に存在する代謝物種についての考察を行う。さらにデータベースから細胞シュミレーション全般について取組について紹介する。



2012年度CACフォーラム一泊研修会

日時 : 2012年10月15日(月)13:30~16日(火)12:30
場所 : 宮島グランドホテル 有もと (http://www.miyajima-arimoto.co.jp/)
      〒739-0522 広島県廿日市市宮島町364
      TEL 0829-44-2411 / FAX 0829-44-2416
内容 : 《プログラム》

10月15日(月) 

1. 会長あいさつ(13:30~13:40)
東京大学   教授  船津 公人 氏

2. 講演(I)(13:40~14:40)
京都大学   教授  奥野 恭史 氏
「創薬インフォマティクスの現状と今後の可能性」
 医薬品の開発工程は、薬剤の標的タンパク質の探索からリード化合物の探索を経て、臨床段階へと至る各専門領域が連結した工程であり、インシリコ創薬研究では、医薬品候補の化学構造そのものを計算機によって分子設計する技術のほかに、標的タンパク質を予測する計算技術、病態メカニズムをモデリングする技術、薬理活性を予測したり薬物動態をシミュレーションする計算技術、副作用を予測する計算技術など、多岐に渡る創薬支援計算技術が開発されている。実際、医薬品分子を合理的に設計するには、病態情報、標的タンパク質情報、薬理活性情報、副作用情報などを総合的に考慮する必要があり、今後、これらの異種データを統合化する計算技術(創薬インフォマティクス)のニーズが益々高まるものと予想される。当該発表では、創薬インフォマティクスの現状と今後の可能性について議論する。

---------(休憩 10分)----------(14:40~14:50)

3. 講演(II)(14:50~15:50)
宇部高専   准教授 荒川 正幹 氏
「情報化学的手法を用いた変異原性予測」
 我々は、情報化学的な手法を用いた有機化合物の変異原性予測を行なっている。本講演では、我々の取り組みを中心に、変異原性予測の現状について述べる。有機化合物の変異原性を予測するため、我々はクラス分類モデルの構築を行った。複数のSupport Vector Machine(SVM)モデルをサブモデルとして構築し、それらを組み合わせることで予測正解率79.6%のモデルを得た。これは、モデルの用途によっては実用的なレベルであるといえる。しかし一方で、モデル構築に利用したデータの一部に誤りが存在することを示唆する結果が得られた。そこで、データベースに陰性として登録されているにも関わらず、多くのサブモデルによって陽性と判定される化合物を選択しAmes試験を実施した。その結果、5化合物中の3化合物が陽性であることが判明した。

---------(休憩 10分)----------(15:50~16:00)

4. 講演(III)(16:00~17:00)
広島大学   教授  相田 美砂子 氏
「QM/MM法による生理活性分子の構造と水和エネルギー」
 生理活性分子もその受容体も、環境により構造が変化し、なおかつ特異的に相互作用がおこる。実験的手法により得られる情報の多くは、リガンドと受容体の結合状態における情報である。生理活性分子の活性は、その分子が単独で存在しているときに最も安定な構造において、ではなく、活性を示す環境における存在確率の高い構造において示す、と考えることができる。本講演では、いくつかの生理活性分子について、単独での構造と水溶液中での構造とがどのように異なるのかについて、QM/MM法による計算から明らかにした結果を紹介する。また、溶質分子のまわりの水分子の構造や分布の特徴についても報告する。

---------(休憩)----------

5. 夕食・意見交換(18:30~21:00)



10月16日(火) 

1. 講演(IV)(9:00~10:00)
九州大学   教授 吉澤 一成 氏
「ナノバイオ研究における予測の量子化学を目指して」
 最近ナノテクやバイオ分野の研究において量子化学計算が盛んに用いられている。しかしながら、これらの理論研究が更なる実験を先導するような研究が少ないのも事実である。当研究室では、単一分子の量子輸送過程、金属酵素の構造と反応性、金属表面における接着に関する理論研究を行っている。当日は、これらの理論研究から得られた成果について議論するとともに、実験分野への波及効果について考察する。

---------(休憩 10分)----------(10:00~10:10)

2. 講演(V)(10:10~11:00)
東京大学   助教 金子 弘昌 氏
「モデルの信頼性および適用範囲を考慮したケモメトリックス解析」
 ケモメトリックスの分野において様々なデータを対象にした回帰分析が行われているが、適切な回帰モデルを構築するためにはモデル構築用データへの当てはまりだけでなく未知のデータに対する予測性能を考慮することが重要である。また、構築されたモデルにどのようなデータを入力しても予測値は出力されるが、すべての予測値を信頼できるとは限らない。モデルが十分な性能を発揮できるデータ範囲を規定する必要がある。今回は、このようなモデルの信頼性および適用範囲を考慮したケモメトリックス解析について講演する。

---------(休憩 10分)----------(11:00~11:10)

3. 講演(VI)(11:10~12:00)
株式会社エス・ティ・ジャパン   増井 秀行 氏
「ベンチトップNMR picoSpin 45MHz 1H-NMRスペクトロメーターの紹介」
 ベンチトップNMRスペクトロメータのpicoSpin?は、研究開発、実験教育、プロセス分析などに最適です。このパワフルなNMRは、他のNMRのような大きな設置スペースを必要とせず、重量は4.7kgで装置の移動も簡単に行えます。高い安定性をもった温度コントロールされた永久磁石を使用しています。(液体窒素、ヘリウムは必要ありません)
picoSpin?は、永久磁石、トランスミッター、レシーバー、データ測定プログラム、イーサネットインターフェースや直感的に使用できるウェッブベースのコントロールソフトなどすべて含まれた、液体用1H-NMR 45MHzシステムです
本装置の概要と測定例を紹介します。



2012年度第2回CACフォーラムセミナー

日時 : 2013年3月8日(金) 13:00~16:30
場所 :

東京大学山上会館小会議室201・202号室(東京都文京区本郷7-3-1)
      http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
      http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_00_02_j.html

内容 :

《プログラム》

1.開会挨拶  (13:00~13:10)
  CACフォーラム会長 東京大学大学院工学系研究科  教授 船津 公人 氏

2.講演(Ⅰ) (13:10~14:10)
 横浜市立大学   特任准教授  川島 雪生 氏
 「ab initio経路積分による平衡・非平衡分子シミュレーション」
 水素が主役となるような反応において、水素原子あるいはプロトンは非常に軽いため、トンネル効果やゼロ点振動などの核の量子揺らぎによる量子効果が重要な役割を果たす。このような反応の正確な理論計算を行うためには核の量子揺らぎを考慮することが必要となる。現在、我々は電子状態計算に基づく核の量子揺らぎを考慮した平衡PIMD法や非平衡セントロイド分子動力学(CMD)法を用いた分子シミュレーションに取り組んでいる。本発表では、これまでに行った分子シミュレーションによる研究例を紹介する。

---------------------休憩(14:10~14:20)----------------------

3.講演(Ⅱ) (14:20~15:20)
 星薬科大学   助教  大貫 義則 氏
 「人工膜小胞における膜ドメイン構造の解析」
 人工膜小胞(リポソーム)は、生体膜に近似した脂質二重膜構造を備えており、生体膜モデルとして、生体膜上の膜ドメイン(脂質ラフトなど)の構造や機能の研究のために用いられている。一般に、膜ドメインの形成様式は、膜の組成が単純なリポソームにおいても非常に複雑であることが知られている。そこで、我々は、応答曲面法やクラスタリング手法などの計量化学的手法を応用し、リポソーム上の膜ドメイン構造を詳細に検討した。また、リポソームはドラッグデリバリーシステム(DDS)の薬物担体としても広く利用されている。そこで、先の検討で得られた知見を、リポソーム製剤の開発研究にも活用した。本講演では、これらの研究の背景や概要について紹介させていただく。

---------------------休憩(15:20~15:30)----------------------

4.講演(Ⅲ) (15:30~16:30)
 産業技術総合研究所   大園 拓哉 氏
 「可変な微小なシワ:マイクロリンクルの研究」
 マイクロリンクルとは縞状の微細凹凸表面構造である。その形成には比較的柔らかい物体表面に硬い薄膜が密着した構造を要し、表面方向への圧縮応力で表面層が曲がることで波状リンクルが自己組織化する。リンクルの特性周期は膜の厚みや薄膜や材料のヤング率で決まり、数百ナノメートルから数十ミクロンで制御でき、溝方向も外力で可変である新しい表面である。その微細構造を用いた液晶配向制御、溝への液体パターニング等最近の研究を含め概説したい。


  

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