2009年度(平成21年度)CACフォーラム開催実績

 

2009年度第1回CACフォーラムセミナー

日時 : 2009年7月31日(金) 13:00~17:00
場所 :

東京大学 山上会館小会議室 201, 202(東京都文京区本郷7-3-1)
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_00_02_j.html

内容 :

《プログラム》

1.開会挨拶  (13:00~13:10)
  CACフォーラム会長 東京大学大学院工学系研究科  教授 船津 公人 氏

2.Chemishによるケモメトリックス解析テクニック講習会 (13:10~15:40)
  東京大学大学院工学系研究科    金子 弘昌 氏

 Chemishは、東京大学船津研究室で開発されているケモメトリックスソフトウエアであり、化学データの編集、解析、可視化のための豊富な機能を備えている。今回は、ケモメトリックス手法である主成分分析、重回帰分析、PLS、ニューラルネットワークなどの説明と、それらの手法を用いて実際にChemishでデータ解析を行うための講習会を行う。また、多言語対応化と新たな手法の追加を行ったChemish Ver5.0の新機能についても紹介する。

---------------------休憩(15:40~15:50)----------------------

3.ToMoCoによるQSAR解析手法説明会 (15:50~17:00)
  東京大学大学院工学系研究科   助教 荒川 正幹 氏

 ToMoCoは、東京大学船津研究室において開発が行われている分子設計トータルシステムであり、CoMFA法によるQSAR解析、HNN(Hopfield neural network)法による化学構造の重ね合わせ、GARGS(genetic algorithm based region selection)法による領域選択などの機能が実装されている。本発表では、これらの手法を利用したQSAR解析の例を通して、ToMoCoの紹介を行う。



2009年度CACフォーラム一泊研修会

日時 : 2009年10月22日(木)~23日(金)
場所 : 兵庫県有馬温泉 有馬ビューホテル (http://www.arima-view.com/)
〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町池の尻292-2
TEL 078-904-2295 / FAX 078-904-0993
内容 : 《プログラム》

10月22日(木) 
1. 会長あいさつ(13:00~13:10)
東京大学  教授  船津 公人 氏

2. 講演(I)(13:10~14:10)
奈良先端科学技術大学院大学   教授  金谷 重彦 氏
「生物種-代謝物関係データベースKNApSAcK:世界の有用植物の悉皆的解析に向けて」
 植物における二次代謝産物は約20万種以上と推定され、5万種については構造決定されていると報告されている。そこで、代謝産物と生物種の関係を体系化することを目的に、文献情報をもとに、生物種とその生物において発見された代謝物の関係をデータベース化することを2004年より開始した。本発表では、KNApSAcK DBの現状を紹介する。さらに、生物資源の多面的な利用の目的からの代謝物検索を容易にするためのウェブサービスとしてKNApSAcKファミリーの研究開発を進めている。現在までにLunch Box(目的:食履歴)、KAMPO(漢方生薬)、KNApSAcK from around the world(世界の薬用植物)の3種のデータベース構築が完了した。これらのデータベースの現状についても紹介する。また、KNApSAcK DBを用いたバイオインフォマティクス解析の例として、大腸菌の生育曲線と代謝物の関係についてのメタボロミクス解析についても紹介する。

3. 講演(II)(14:10~14:50)
東京大学 船津研究室   光山 倫央 氏
「ケモゲノミクス手法に関する研究」
 医薬品開発においては、候補化合物の活性予測のために構造活性相関(QSAR)が用いられる。QSARではリガンド情報を数値化した構造記述子と単一のタンパク質に対する活性値との間に機械学習手法を適用し、活性予測モデルを構築する。この際、モデル構築に用いられるのはリガンド情報のみであり、ターゲットタンパク質の情報は用いられないのが一般的であった。しかい近年ではQSAR手法を発展させ、タンパク質情報も用いてモデルを構築するケモゲノミクスとよばれる手法が開発されてきている。ケモゲノミクス手法を用いることで、リガンドデータが少数または存在しない場合でも予測可能、薬効のみならず副作用も同時に予測することが可能などの利点がある。ケーススタディとしてGPCR活性データを用いて、ケモゲノミクス手法について紹介する。

---------(休憩 20分)----------(14:50~15:10)

4. 講演(III)(15:10~16:10)
山口大学   教授 堀 憲次 氏
「In Silico合成経路開発の現状」
 我々が提唱してきた「コンピュータを用いた合成経路開発(In Silico合成経路開発)」は、そのキーとなる遷移状態データベース(TSDB)の急速な充実(436種類の素反応、1860個の遷移状態)より、実用化レベルに達しつつある。この充実と並行して、ビジネスとして成り立たせるために必要な数多くの並列計算機も整備され、企業からの要請を比較的短い時間で対応することが可能となってきた。このような状況下で。本年6月23日にTS Technologyが起業され、来年からの自立に向けた活動を始めた。本講演では、In Silico合成経路開発の現状を述べるとともに、実用性を増すために開発している溶媒効果を考慮した反応解析を行う計算方法、QM/MC/FEP法についてのべる。

5. 講演(IV)(16:10~17:00)
株式会社 エス・ティ・ジャパン   増井 秀行 氏
「NIR, Ramanスペクトルを用いたイメージング法の医薬製剤研究への応用」
 近年イメージング手法が、中赤外(IR)、近赤外(NIR)、ラマンスペクトルなどの振動分光法の分野で活用されるようになっている。光学素子やコンピュータの進歩が、大容量となるイメージングデータを、短時間(数分)で取得することを可能にした。さらに分子構造の違いを化学イメージングとして容易に可視化するとともに、定量分析も可能にしている。例えば、錠剤中での注目する化学成分(主薬など)の分散状態を把握し、試料の均一性または不均一性、濃度評価や打錠障害の解析などに用いられている。これらスペクトルのケミカルイメージング処理のソフトであるISys(アイシス)について、その概要と、ケモメトリックスの利用、製剤開発などにおける応用例を紹介する

---------(休憩)----------

6. 夕食・意見交換(18:30~21:00)


10月23日(金) 
1. 講演(V)(9:30~10:30)
京都大学   教授  奥野 恭史 氏
「ケミカル情報とバイオ情報の統合に基づくインシリコ創薬」
 ポストゲノム時代の今日、マイクロアレイやハイスループットスクリーニングなどの技術革新を背景に、膨大なバイオ情報やケミカル情報が集積され、医薬品候補など生物活性を有する化合物の探索が加速度的に展開されている。我々は、これら膨大なケミカルゲノミクスデータから、化合物群とタンパク質群との相互作用関係を効率的に抽出し、実用的なインシリコ創薬につなげることを主眼において、データベースの開発および体系的な相互作用予測法の研究開発を進めてきた。本研修会では、化合物とタンパク質との結合情報(ケミカルゲノミクス情報)を機械学習することにより、活性化合物を効率的に探索することに成功した技術“Chemical Genomics-based virtual screening”を紹介する。

---------(休憩 10分)----------(10:30~10:40)

2. 講演(VI)(10:40~11:40)
関西学院大学   教授  尾崎 幸洋 氏
「振動分光イメージング」
 最近、振動分光イメージングが高分子、薬品、生体組織分析など幅広い分野で注目されている。この方法で興味深いのは、イメージングにより単に成分の分布等が分かるばかりでなく、結晶化度の分布など物性の分布なども分かることである。さらに、混合物の拡散などを見ることもできる。振動分光イメージングに用いられる分光法としては、赤外、ラマン、近赤外、テラヘルツ分光法などがある。それぞれに長所・欠点があるが、いずれの分光イメージングも急速な発展を見せている。振動分光イメージングの発展のためには、ハード、ソフト両面での進歩が重要である。本講演ではスペクトルデータ処理について主に話し、振動分光イメージングによってどのような情報が得られるのかについて解説する。

3. 昼食(12:00~13:00) 昼食後移動

4. 見学会(14:00~15:00) 見学会後解散
  (株)ナード研究所 様
   場所:神戸市ポートアイランド(神戸医療産業都市)
   アクセス http://www.kobe-lsc.jp/access/access.html
   MAP http://www.kobe-lsc.jp/map/pi-2.html



2009年度第2回CACフォーラムセミナー

日時 : 2010年3月1日(月) 13:00~17:00
場所 :

東京大学 山上会館小会議室 201, 202 (東京都文京区本郷7-3-1)
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_00_02_j.html

内容 :

《プログラム》

1.開会挨拶  (13:00~13:10)
 CACフォーラム会長 東京大学大学院工学系研究科   教授 船津 公人 氏

2.講演(Ⅰ) (13:10~14:10)
 産業技術総合研究所 高エネルギー物質研究グループ   松永 猛裕 氏
 「コンピュータケミストリーによる化学物質の爆発性予測」
 化学物質の分子構造と爆発性との関係を種々のコンピュータケミストリー手法を用いて予測する技術について紹介する。

3.講演(Ⅱ) (14:10~14:40)
 東京大学 船津研究室   右田 啓哉 氏
 「任意の有機化合物の溶解度を対象とした定量的構造物性相関」
 分子材料設計において有機溶媒は化学反応場として、また分離プロセスの溶剤として重要な役割を果たす。これらにおいて適切な溶媒選択のためには、材料候補の溶解度の値を予め獲得する必要がある。しかし入手できる溶解度の測定値は限られているため、任意の溶媒・溶質のペアについて溶解度を精確に予測するモデルが望まれる。そのために重要なことは、溶解現象を支配する相互作用をデータから抽出する仕組みを設け、利用可能なデータ全てを活用して予測モデルを構築することである。本講演では、この手法について具体的に説明し、実際に多様な溶解度データを解析して構築されたモデルの分析結果について述べる。

---------------------休憩(14:40~14:50)----------------------

4.講演(Ⅲ) (14:50~15:50)
 慶應義塾大学 先端生命科学研究所   教授 西岡 孝明 氏
 「マススペクトルのデータベースMassBank」
 ゲノム解析されたヒトをはじめモデル生物である大腸菌ですら、細胞内に何種類の化合物(代謝物質)があるのかは不明である。メタボローム解析では LC/MSによって数千の代謝物質が検出されるが、それらのうち同定されるのは植物で4-5%、ヒト血液で20-30%にとどまる。このように同定率が低いのは、同定に必要な参照マススペクトルのデータベース(DB)が極めて少ないことによるものである。これは、生命科学研究においては極めて多様で高性能な質量分析計が使われていて、測定方法を標準化することが難しい、たとえ標準化しても装置の進歩が著しいのですぐに陳腐化する、などの理由をあげることができる。MassBank (http://www.massbank.jp) のコンセプト、情報技術、検索ツール、物質同定法などについて紹介する。

---------------------休憩(15:50~16:00)----------------------

5.講演(Ⅳ) (16:00~17:00)
 北里大学 薬学部   教授 広野 修一 氏
 「Practical Structure-Based/Ligand-Based 3D-QSAR」
 現代のイン・シリコ創薬おいて、3D-QSARは地味ではあるが、実際的で、非常に実用的なツールである。本講演では、1) 薬物標的蛋白質の立体構造情報を活用した3D-QSAR(Structure-Based 3D-QSAR)と、2) リガンド化合物群の情報のみに基づいた3D-QSAR(Ligand-Based 3D-QSAR)の2つについて、実際的な研究例を通してそれらの一般的概念と要点を解説する。3D-QSARの実例としては、1) PPARsのfull agonistsに対するCoMFA、 2) Carbonic anhydrase inhibitorsに対するCoMFAの2つの研究を紹介する予定である。


  

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