2011年度(平成23年度)CACフォーラム開催実績

 

2011年度第1回CACフォーラムセミナー

日時 : 2011年7月8日(金) 10:00~17:00
場所 : (社)日本化学会 化学会館 601B会議室(東京都千代田区神田駿河台1-5)
       http://www.chemistry.or.jp/kaimu/office/map.html
内容 :

《プログラム》

1.開会挨拶  (10:00~10:10)
 CACフォーラム会長 東京大学大学院工学系研究科  教授 船津 公人 氏

2.ToMoCoによるQSAR解析講習会 (10:10~12:00)
 東京大学大学院工学系研究科   教授 船津 公人 氏
 ToMoCoは、東京大学船津研究室において開発が行われている分子設計トータルシステムであり、CoMFA法によるQSAR解析、HNN(Hopfield neural network)法による化学構造の重ね合わせ、GARGS(genetic algorithm based region selection)法による領域選択などの機能が実装されている。今回、これらの手法を利用したQSAR解析の例を通して、ToMoCoの講習会を行う。

---------------------昼食(12:00~13:00)----------------------

3.Chemishによるケモメトリックス解析テクニック講習会 (13:00~17:00)
 東京大学大学院工学系研究科    金子 弘昌 氏
 Chemishは、東京大学船津研究室で開発されているケモメトリックスソフトウエアであり、化学データの編集、解析、可視化のための豊富な機能を備えている。今回は、ケモメトリックス手法である主成分分析、重回帰分析、PLS、ニューラルネットワークなどの説明と、それらの手法を用いて実際にChemishでデータ解析を行うための講習会を行う。



2011年度CACフォーラム一泊研修会

日時 : 2011年10月06日(木)13:00~07日(金)12:30
場所 : リゾーピア熱海 (http://reserve.resort.co.jp/hotels/smc/atami/access/index.html)
      〒413-0012 静岡県熱海市東海岸町13-93
      TEL 0557-83-5959 / FAX 0557-86-0037
内容 : 《プログラム》

10月06日(木) 

1. 会長あいさつ(13:00~13:10)
東京大学   教授  船津 公人 氏

2. 講演(I)(13:10~14:00)
山口大学   教授  堀 憲次 氏
「in silico合成経路開発に関わる研究とビジネスの現状,そして将来」
 我々は,有機合成化学に「IT技術」を導入するin silico合成経路開発法を2000年ころより提唱し,遷移状態データベース(TSDB)の開発,TSDBを用いた反応解析とそれを用いた合成経路開発等の研究を行って来た 。その成果をJSTが実施している「大学発ベンチャー創出推進」プログラムに応募したところ,2007年-2009年度で実施することが認められた。その 研究成果をもとに,2009年6月に㈱Transition State(TS) Technology起業し,現在に至っている。本講演では,in silico合成経路開発法の現状を示すと共に,TS Technologyをベンチャーとして成功する上で超えなければならない壁について報告する。

3. 講演(II)(14:00~14:50)
大阪府立大学   准教授 麻田 俊雄 氏
「ab initio QM/MM-MDシミュレーションを用いた自由エネルギー面上の反応経路最適化」
 生体分子やデバイス中における化学反応を理論的に解析する目的で、量子化学計算と力場計算を組み合わせたab initio QM/MM MDシミュレーションのプログラム開発を行ってきた。一方凝縮系では、化学反応における高精度な自由エネルギー計算が必要とされることから、自由エネルギー勾配(FEG)法と反応経路をつなぐNudged Elastic Band(NEB)法を組み合わせたFEG-NEB法を開発し、自由エネルギー面上の反応経路最適化に適用してきた。本講演では、これら概要を紹介するとともに、リチウム電池電解液や触媒反応経路最適化への応用例について発表する。さらに、高速化に向けた展開について紹介する。

---------(休憩 20分)----------(14:50~15:10)

4. 講演(III)(15:10~16:00)
東京大学   特任助教  神坂 英幸 氏
「第一原理計算を用いたTiO2系透明電極材料の物性評価」
 半導体は電子デバイスの中核をなす材料であり、今日の科学技術に欠かすことが出来ない。特に遷移金属酸化物は、多様な物性を示し、様々な機能性材料の原料となっている。近年、計算機と計算手法の進展によって、従来は計算が難しかった遷移金属酸化物およびそのドープ系についても、その微視的な構造を理論的に取り扱えるようになってきた。本講演では、まず密度汎関数に基づく固体の第一原理計算の概略を解説する。そして講演者が行った、透明伝導性材料の理論研究事例を紹介する。また遷移金属酸化物の理論計算の現状、およびソフトウェアの動向についても、計算手法の進展とあわせて紹介したい。

5. 講演(IV)(16:00~16:50)
産業技術総合研究所 長嶋 雲兵 氏
「ゼオライト構造を持つ炭素の水素吸着点に関する経路積分分子動力学シミュレーション」
 水素吸蔵物質の開発は次世代エネルギーの鍵を握る。我々はゼオライト構造を持つ炭素(ZTC)に注目し、水素の炭素表面の吸着と拡散について原子核の量子性をあらわに取り込み、系の量子性と温度を顕わに取り込んだ経路積分分子動力学シミュレーションを行った。水素吸蔵物質として炭素系は有望であることが判った。また水素吸蔵材料開発の計算機シミュレーションには、原子核の量子性の顕わな考慮が重要であることが判った。

---------(休憩)----------

6. 夕食・意見交換(18:30~21:00)


10月07日(金) 

1. 講演(V)(9:00~9:50)
エーザイ株式会社   河合 隆利 氏
「社内化合物情報の集積戦略」
 創薬研究の現場にはデータベースとして共有されることのなかったさまざまな化合物情報が眠っている。またデータベース化されている化合物情報もデータベース間の相互参照による有機的な連携は容易ではなく、新たな知を生み出すための仕組みづくりが望まれていた。私たちはこれら社内化合物情報のイントラネットによる共有化を目指したシステム作りを2005年にスタートさせ、創薬研究者たちが抱えていた知識・情報・データの探索フラストレーションを解消し、新たな付加価値を創造することに腐心してきた。この6年間に培ってきた社内化合物情報の集積戦略とそこで産まれてきた数々のデータベースについて紹介する。

2. 講演(VI)(9:50~10:40)
東北薬科大学   助教 小田 彰史 氏
「アミノ酸残基の立体反転についての計算機的研究」
 従来、生体中のアミノ酸はL-体のみであると考えられてきた。しかし近年、哺乳類のタンパク質においてもD-アミノ酸が残基として検出されている。生体分子中のアミノ酸残基の立体反転が加齢に伴って増加する現象がいくつか報告されており、アルツハイマー型認知症患者の脳内にあるβ-アミロイド、白内障患者の水晶体中のα-クリスタリン、皮膚のタンパク質等、加齢性疾患と関連したタンパク質からD-アミノ酸が発見されている。アミノ酸残基の立体反転がどのようにして起こるか、立体反転によってタンパク質立体構造がどのように変化するか、そしてD-アミノ酸残基がどのようにして通常のL-アミノ酸へと修復されるか、それぞれについて計算化学手法によって検討した結果を報告する。

---------(休憩 20分)----------(10:40~11:00)

3. 講演(VII)(11:00~11:50)
東京大学   特任准教授  山下 雄史 氏
「分子動力学シミュレーションの可能性と創薬への応用に向けた試み」
 近年の計算機の発展によって、大規模な分子動力学シミュレーションが可能になってきた。また、経験的モデル力場の改善や強力な計算手法の開発により、タンパク質のように自由度の多い系に関しても物理量を定量的に計算予測できる可能性が示されている。このような流れを踏まえ、我々は、創薬への応用を目指し、さらに強力な手法の開発に挑戦している。実際、標準的な分子動力学シミュレーションには、化学結合の組み替えが記述できない点や依然として定量的予測が困難である点などの短所が残されている。本講演では、化学結合の組み換えを扱えるようにする拡張法やタンパク質間結合自由エネルギーの強力な評価法の開発について我々の研究結果を示し、それらの創薬への応用を議論する。

---------(休憩 10分)----------(11:50~12:00)

4. 昼食(12:00~12:30) 昼食後解散


2011年度第2回CACフォーラムセミナー

日時 : 2012年3月2日(金) 13:00~16:30
場所 :

(社)日本化学会 化学会館 501B会議室(東京都千代田区神田駿河台1-5)
       http://www.chemistry.or.jp/kaimu/office/map.html

内容 :

《プログラム》
1.開会挨拶  (13:00~13:10)
  CACフォーラム会長 東京大学大学院工学系研究科  教授 船津 公人 氏

2.講演(Ⅰ) (13:10~14:10)
東京大学   助教  金子 弘昌 氏
「産業プロセスにおけるケモメトリックス技術としてのソフトセンサー」
 産業プラントにおいては、測定困難なプロセス変数を推定する手法として、ソフトセンサーが広く用いられている。ソフトセンサーとは、オンラインで測定可能な変数と測定困難な変数の間で数値モデルを構築し、目的とした変数の値を推定する方法である。このソフトセンサーモデルの構築および目的変数の推定の際にケモメトリックス手法が活用されている。本講演では、まずソフトセンサーの現状や問題点に触れ、その後問題解決のためにケモメトリックス手法を駆使した研究例を紹介する。

---------------------休憩(14:10~14:20)----------------------

3.講演(Ⅱ) (14:20~15:20)
東北大学   准教授  高羽 洋充 氏
「材料から機能までをモデリングするマルチスケール化学工学の試み」
 ミクロ・メソ・マクロを繋げるシミュレーションの研究例を紹介する。機能性材料の多くは、電子・原子レベルで素性が決定され、メソ構造レベルで機能が発現し、マクロレベルで性能が決定される。これらを統合的にモデリングするためには、従来は全く異なった学問分野として発展してきた量子化学、分子動力学、化学工学、流体力学などのシミュレーション手法を連携させる必要がある。本発表では、膜分離、電池材料、自動車触媒などを例にその手法の可能性を探る。

---------------------休憩(15:20~15:30)----------------------

4.講演(Ⅲ) (15:30~16:30)
豊橋技術科学大学   准教授  後藤 仁志 氏
「ペプチド創薬に適したドッキング技術の開発」
 低分子医薬に代わり抗体医薬やペプチド・ワクチンなど、比較的短いペプチド配列に注目し、医薬品開発に応用しようとする傾向が本格化している。ターゲットになる疾病や、それに関わるタンパク質は様々であるが、分子科学的には、タンパク質の表面構造を選択的に認識できるペプチド配列を見つけることが求められている。多様な活性ペプチド配列を探索する手法の一つとして、埼玉バイオプロジェクトが推進する高速分子進化技術によるペプチドアプタマーの応用開発があり、我々はこれと連携して,粗視化四体ポテンシャルによるタンパク質―ペプチド複合体のドッキング法の開発を行っている。ここでは、プロジェクトの概要とこの新しいドッキング技術を紹介する。


  

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