2014年度(平成26年度)CACフォーラム開催実績

 

2014年度第1回CACフォーラムセミナー

日時 : 2014年7月11日(金) 13:00~16:30
場所 : (社)日本化学会 化学会館 6階会議室(東京都千代田区神田駿河台1-5)
 http://www.chemistry.or.jp/kaimu/office/map.html
内容 :

《プログラム》

1.開会挨拶  (13:00~13:10)
  CACフォーラム会長   東京大学  教授 船津 公人 氏

2.講演(Ⅰ) (13:10~14:10)
京都大学   教授  長谷川 健 氏
「フッ素化合物の新階層構造とナフィオンの新しい理解」
 燃料電池で中心的な役割を果たす高分子ナフィオンは、これまでパーフルオロアルキルの疎水性部分とスルフォン酸基の水和構造について、分子論的な議論が乏しかった。今回、赤外分光法と量子化学計算により、水和構造に新しい構造を見出した。また、パーフルオロアルキルの理解を根本から変え得る新しい階層構造についても紹介する。

---------------------休憩(14:10~14:20)----------------------

3.講演(Ⅱ) (14:20~15:20)
星薬科大学   教授  髙山 幸三 氏
「CAEシミュレーションによる錠剤内残留応力分布の推定」
 服薬の利便性から現在最も好まれる剤形は錠剤であり、その多くは粉体の圧縮により製造されている。圧縮過程を経ることで錠剤内には様々なベクトルを持った応力が残留し、その分布状態が錠剤の品質に大きく影響する可能性がある。
 Computer-Aided Engineering (CAE) は、実験が困難な現象をコンピュータ上でシミュレーションする技術であり、錠剤内に残留するせん断応力や垂直応力の推定に利用することができる。本講演では、錠剤の重要品質特性に及ぼす残留応力分布の影響について、著者らの研究例を中心に紹介する。


---------------------休憩(15:20~15:30)----------------------

4.講演(Ⅲ) (15:30~16:30)
武蔵野大学   教授  大塚 誠 氏
「固形医薬品製造工程管理への分光学と多変量解析の適用」
 医薬品製剤の製造工程の設計,分析,管理を行い、最終的に製品の品質を保証するデザインスペースを構築するため、リアルタイムな計測が可能な分光分析での測定は、非破壊・非接触で迅速な測定速度をもつことから最適である。また、複雑情報を含むスペクトルから多様な情報を抽出するために多変量解析は、有効なツールである。本講演では、混合,練合,造粒,乾燥,打錠,コーティングなどの医薬品製造工程における材料物性(粒子径,水分量,多形含有量)の変化から最終製品の錠剤硬度,崩壊時間,溶出速度などの製剤特性への影響をIn-Lineで予測する方法とProcess Analysis Technologyの実際を議論する。



2014年度CACフォーラム一泊研修会

日時 : 2014年10月6日(月)13:30 ~ 7日(火)12:50
場所 : ニューウェルシティ湯河原(静岡県熱海市泉107)
http://www.welcity-yugawara.co.jp/
内容 : 《プログラム》

10月6日(月) 

1. 会長あいさつ(13:30~13:40)
東京大学   教授  船津 公人 氏

2. 講演(I)(13:40~14:40)
東京大学   教授 船津 公人 氏
「マテリアルズ・インフォマティックス展開にとって必要な情報基盤とは」
 新しい材料開発にとって時間と費用を圧縮することが強く求められている。一方、理論化学的な手法で所与の機能や物性を持つ材料探索を行おうとする試みが多く行われてきたが、その方法論は確立されておらず、産業界からは一種の失望感も漂っていた。しかしながら、アメリカを発信地としてマテリアルズ・インフォマティックスの展開の実情が報告されるにつれ、従来の理論・計算、計測・解析に加えて我が国でも産業界を中心にインフォマティックスの積極的活用が必要ではないかとの声が上がってきている。ただ、このためにどのような情報基盤が必要で、インフォマティックスとしてどのような手法が整えられるべきなのかの具体的な議論を創出するまでには至っていない。その大きな原因には我が国の科学研究、基礎研究の歴史の中での情報軽視の意識があると言ってよい。このことを払拭するにはどうすれば良いのか。さらには、我が国でマテリアルズ・インフォマティックスを展開するには何が必要なのかを議論する。

---------(休憩 10分)----------(14:40~14:50)

3. 講演(II)(14:50~15:50)
科学技術振興機構   加藤 治 氏
「科学技術情報基盤の新しい流れとJST情報事業の方向性」
 オープンアクセス及びデータシェアリング等の世界的流れ、高度IT基盤技術の発展、検索業務から分析業務へのニーズ高まりなど、JST情報事業を取り巻く環境が激変する中、イノベーション貢献型サービスへのシフトを目指すJST情報事業の方向性について講演する。

---------(休憩 10分)----------(15:50~16:00)

4. 講演(III)(16:00~17:00)
東京大学   准教授  牛山 浩 氏
「量子化学計算でわかること・できないこと」
 シュレーディンガー方程式を解けば、エネルギーや電子分布をはじめ様々な分子の性質がわかります。こうした考えの上に立ち、量子化学計算では大きな分子を精度よく解く研究が盛んになされ、様々な近似法の開発が行われたり、モデル化などが進められてきました。しかしながらコンピュータが進化した現時点でも、現実系のシミュレーションは不可能なことです。本発表では、実験研究者との共同研究を通じて取り組んできた材料開発の研究例を紹介しながら、「実験研究者の望むもの」と「量子化学計算を実行すればわかること」のずれについて感じていることについて述べたいと思います。また、量子化学計算をどのように活用すればよいのか、材料開発に対してできることは何か、についても考えていきたいと思います。

---------(休憩)----------

5. 夕食・意見交換(18:30~21:00)


10月7日(火) 

1. 講演(IV)(9:00~10:00)
山口大学   教授 堀 憲次 氏
「反応の熱力学パラメータ実測と明示的及び暗示的溶媒効果を取り入れた理論計算を併用した有機反応機構解析」
 反応に及ぼす溶媒効果は、反応に直接関与する効果(明示的効果)とバルクの効果(暗示的効果)に分けられる。前者は、溶媒分子を反応物として考慮した計算、後者はSMD法や我々の開発したQM/MC/FEP法を用いて評価することができる。これらの理論的手法をいくつかの有機反応に適用した結果と、実測した活性化自由エネルギーとを比較して得られる溶媒効果の描像について述べる。

---------(休憩 10分)----------(10:00~10:10)

2. 講演(V)(10:10~11:10)
かずさDNA研究所   櫻井 望 氏
「メタボロミクスにおける化合物構造推定」
 メタボロミクスは生体内の代謝化合物を網羅的に定性・定量する技術であり、生物学の他、医薬学、食品、環境など広い分野で応用が期待されている。化合物の検出には主に質量分析装置が用いられ、得られた質量スペクトルを既知物質と比較したり直接解釈したりすることで、化合物の同定・推定が行われる。しかし、半自動的に定性できるものは全化合物シグナルの1割程度と少なく、この歩留まりを上げる技術開発が大きな課題となっている。今回は、質量分析データから化学構造を推定する技術の現状について講演する。

---------(休憩 10分)----------(11:10~11:20)

3. 講演(VI)(11:20~12:20)
野口研究所   山田 一作 氏
「糖鎖情報のセマンティックウェブ化」
 糖鎖科学データベースは世界中の様々な機関において独自に開発されているため、利用者は必要な情報が散在していた場合、各データベースのリンクを辿る必要があった。近年、World Wide Webの利便性を向上させ得るセマンティックウェブはライフサイエンスデータを連携するための手段としても注目されてきた。そこで、糖鎖科学データベースにおいてセマンティックウェブ技術を活用するため糖鎖構造の新しい線形表記法(WURCS:Web3 Unique Representation of Carbohydrate Structures)や糖鎖オントロジーを開発してきた。本講演ではこれらの概要および今後の展開について紹介する。


2014年度第2回CACフォーラムセミナー

日時 : 2015年 3月 6日(金) 9:20~16:30
場所 :

(社)日本化学会 化学会館 6階601A会議室(東京都千代田区神田駿河台1-5)
 http://www.chemistry.or.jp/kaimu/office/map.html

内容 :

《プログラム》


1.開会挨拶  (9:20~9:30)
  CACフォーラム会長   東京大学  教授 船津 公人 氏

2.講演(Ⅰ) (09:30~12:30)
東京大学   助教 金子 弘昌 氏
「Chemishによるケモメトリックス解析テクニック講習会」
 Chemishは、東京大学船津研究室で開発されているケモメトリックスソフトウエアであり、化学データの編集、解析、可視化のための豊富な機能を備えている。今回は、ケモメトリックス手法である主成分分析、重回帰分析、PLS、ニューラルネットワークなどの説明と、それらの手法を用いて実際にChemishでデータ解析を行うための講習会を行う。

講習会内容:
1. Chenmishの概要説明
2. データ解析手順
3. 解析手法の解説とデモンストレーション
 □統計計算
   基礎統計量、相関行列、主成分分析(PCA)、独立成分分析(ICA)
 □クラスタリング
   階層型クラスタリング、Kohonen ニューラルネットワーク (Self-Organizing Map, SOM)
 □データモデリング
   最小2乗法による線形重回帰分析、PLS、QPLS、BPニューラルネットワーク、CPニューラルネットワーク
 □予測、逆解析
 □変数選択
   StepWise(変数増減/減増)法、GAPLS、GAQPLS
 □原子団寄与法(Group Contribution Method)
   物性予測、逆解析(自動化学構造式生成)
 □品質管理(QC)
   ヒストグラム、パレート図、各種管理図
4. 演習


-------------休憩(12:30~13:30)--------------

3.講演(Ⅱ) (13:30~16:30)
科学技術振興機構(JST)
(1)「NBDCの紹介とNBDCが提供するサービス」
 バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)は、ライフサイエンス分野のデータベースの統合を進めることをミッションとして、データの流通、二次的利用を促進しているJSTの一組織です。NBDCの取り組みの成果は、NBDCのポータルサイト(http://biosciencedbc.jp/)で公開されています。この中から、データベースのカタログ、データベースの横断検索、データベースアーカイブの各サービスをご説明し、化学物質に関係のあるデータベースの検索方法をご紹介します。

(2)「日化辞データのRDF化とオープン化の取り組み」
 日本化学物質辞書(日化辞)は、JSTが管理運営する国内最大級の化合物データベースです。化合物の名称、分子式、分子量、CAS登録番号、法規制番号、化学構造(MOLfile形式)、用途語(JST科学技術用語シソーラス由来)などを収録し、これらの情報は、日化辞Web(http://nikkajiweb.jst.go.jp/)というWebサービスによって誰でも登録なしで自由に無料で「文字列検索」、「化学構造検索」が可能です。最近これらに加えInChI,InChIKeyの情報をUniChem(https://www.ebi.ac.uk/unichem)に提供を開始し、これを通してPubChem、ChEMBL、PharmGKB、Human Metabolome Database(HMDB)、NMRShiftDBなど27種類の主要な化合物データベースの化合物ID間のマッピング情報を簡単に取得できるようになりました。さらに日化辞ではデータRDF(Resource Description Framework)化とオープン化を進めており、日化辞をハブとした生命科学、材料工学、環境化学系などの化合物を取り扱うデータベースの統合の取り組みをご紹介します。

(3)「J-GLOBALの活用例と今後の方向性」
 独立行政法人科学技術振興機構(JST)が提供するJ-GLOBALは、「つながる、ひろがる、ひらめく」をコンセプトに、これまで個別に存在していた研究者や文献、特許、化学物質などの科学技術情報をつなぎ、さらに他の専門サイトと連携することによって、芋づる式の情報探索や新たな発想の展開を支援する科学技術情報の総合サイトです。
今回はJ-GLOBALを使った研究者探索等の例と、RDF化や分析活用など今後の方向性についてご紹介します。



  

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